「来たくなるオフィス」が促す新しい組織文化

テガラ株式会社様

Industry:

商社

Type:

新築

最近、経営の舞台に新しい風が吹き込まれています。従来の経営手法にとらわれず、新たなアイデアや視点を持つ次世代の経営者たちが台頭してくるなか、テガラ株式会社もその一つ。二代目の若き社長である佐藤麗佳さんに、オフィス新築への思いや背景を伺ってみました。

テガラ株式会社

1991年創業。「研究開発を加速するお手伝い」を理念とし、全国の研究開発者さまに向けた専門的な製品の調達販売や情報提供、サポートなどのサービスを統合した 研究開発プラットフォームを形成している。

オフィス移転&新築を考えた理由

ー事業内容について教えてください

佐藤さん:事業としては2本の柱があります。1つは、研究開発用のパソコンをオーダーメイドで作る事業、もう1つは、研究開発に必要な製品を海外から輸入して販売すること。取引先は、北海道から沖縄まで、法人から教育機関まで幅広く、研究開発者の日々の活動を支援し、日本および世界の研究・開発の推進をお手伝いしています。

Dexi:今回なぜオフィスの移転&新築を?

佐藤さん:移転前のオフィスが手狭になっていたのが理由です。新しい事業をやりたいのに、場所も人も足りない状況でしたので、2021年前ごろから土地探しを開始しました。元々のオフィスは、複数の小部屋に従業員がバラバラに座っており、移転先では全員が一つのフロアーに集まれるような場所を探していました。

ーどのように進めましたか?

佐藤さん:まずはゼネコン2社に相談をして、最終的に1社に決めました。図面をひいていただきながら、働き方やデザイン面をさらに良くするために、オフィスデザインの会社を探していたところ、Dexiさんを知りました。22年2月ごろだったと思います。

Dexi:その時、Dexiのショールームであるコワーキングスペースを見ていただいた後に、会社案内をお渡ししました。他のデザイン会社にも相談しましたか?

佐藤さん:オフィス機器の会社さんや、デザイン会社さんにも相談をしていましたが、Dexiさんは金額的にもちょうどよく、オフィスデザインの施工事例も豊富でしたので、最終的にお願いすることになりました。

ーDexiが入ったことで、どのようなところが変更になりました?

佐藤さん:いろいろとご提案いただきながら、変更していきましたよね。

Dexi:まずゾーニング計画(家具やデスクのレイアウト)が大事かなと思い、佐藤さんと一緒に内容を詰めて、ゼネコンさんとどこまで変えれるか調整をさせていただきました。また、床は面積が広いのでオフィスの印象を決める大事な部分。内装材の見直しも行ないました。ワンランク金額を上げてでも、いい内装材を提案しました。特に、カーペット!ご提案できてよかったです。初めてのオフィス移転や新築で内装はこれがいいと言えるお客さんはいないので、ゼネコンさんとの間に入りながら、提案ベースで伴走できたのがよかったと思います。

オフィスに対する不満が50%以上。だから新築で見直したこと

ー新しいオフィスのテーマについて教えてください。

佐藤さん:まずはDexiさんに社内アンケートを実施していただき、オフィスに対する不満が50%もあることがわかりました。前のオフィスは、会議室もなく、作業場が狭い。机を並べただけで余白も足りず作業をするだけの場所という感じでした。

だから、一人ひとりが快適に過ごせるようにアンケートの結果を見ながら、机を広くしたり、休める場所を作ったりと構想を広げていきました。コロナ禍だったこともあり、アンケートの中にはリモートワークをしたい人も多かったのですが、会社としては新規事業を立ち上げる中で、社員が交流を通してアイデアを出して欲しい。自宅でパソコンに向かっていても新しいアイデアは出にくいので、快適で働きやすい「来たくなるオフィス」を目指しました。

Dexi:来たくなるようなオフィスというと、家よりも仕事が効率的であることが大事ですよね。デスクの広さや快適性などはまさにそうだと思います。また交流を生み出すためには、人が自然と交わる仕組み・導線が大事と考えました。オフィスの真ん中にキッチン機能やプリンター、ウォーターサーバーを置いたのも、オフィスの中心に人が集まるようにという意図からです。

ー女性が比較的多い職場だと思いますが、オフィス作りで意識したことはありますか?

佐藤さん:全体的な色味は、柔らかく。建物の窓周辺に木目を使い、植物を中央に置いています。植物は多めにしてもらいました。家具の色も、優しい色味だったり、キッズスペースを作って、子どもが来れるオフィスにしました。コロナで学校閉鎖になったとき、職場に連れて来られたらと思ったことがきっかけです。これから若い社員に子どもができたときでも働きやすい職場でありたいなと。

Dexi:子どもも来たりしますか?

佐藤さん:うちの子はたまに来たりしますが、土曜日出勤の人が少ない時に連れてきてますね。

オフィスにアートを取り入れた理由は?

ーエントランスのアートが特徴的でした。アートの役割について教えてください。

Dexi:エントランスは企業を象徴する場所でもあるので、新築なのにきれいに整えるだけではもったいと考えていました。そこで、アートを使いませんかと提案をして、佐藤さんからもいいねと。アーティストに依頼をして描いてもらいましたね。

佐藤さん:アートの良さは、メッセージ性があることです。社外の人が見ると一見、わかりにくいかもしれません。しかし、選んだ自分達にはわかりやすい。たとえば、中央に山があって道が螺旋状に描かれていますが、弊社の会長が「螺旋状に進化していこう」とよく言っているので、それを表現しています。螺旋だと同じ場所をぐるぐる回っているように見えても、実は上にあがっている。研究開発も同じで、小さな積み重ねで大きい発見をしたり、新しい製品ができたり、少しずつ世の中よくなっていくわけです。こうした想いを、アートという形にして眼に見えるようにしています。

Dexi:メッセージ性がありますね。

佐藤さん:あとは、社員一人一人がそのアートに、小さく星を描いているんですね。今後新入社員が入った後も、同じように描いてもらう予定です。自分が描いたことで、この社屋に愛着を持ってほしいと思っています。

オフィスの新築で、求人への応募が増えた

ーオフィスを作った後、交流を促すための取り組みは何かしていますか?

佐藤さん:1階は製造や開発の現場で、2階はオフィスワークが中心になっているのですが、昼休みは2階でしか食べてはいけないルールを作っていたり、朝礼でも全員が2階に集まるようにしていたりします。

Dexi:楽な方に行ってしまいがちだからこそ、何かルールが必要なんですね。採用については何かありますか?天井も高くて、女性が自由に働いている雰囲気のあるオフィスだから、応募も増えていますか?

佐藤さん:けっこう近所の子が応募してくれるんですよ。新しい建物ができたから気になって応募しましたとか、というのはかなり増えましたね。私自身もおしゃれな場所で働きたいので、そうした会社で働いているということにも誇りを持ってもらえるようにしたいですね。

オフィスを新築してわかった、従業員の驚きの変化とは?

ー最後にDexiと一緒にオフィスデザインを進めてみてよかったと思うところを教えてください。

佐藤さん:選択肢を出してもらえるところですね。エントランスやアートも自分達ではできませんでした。そもそも、オフィスの新築の進め方がわかっていなかったので、相談できる、アドバイスしてもらえて、オフィスのトータルコーディネートをしてもえる部分は安心感がありました。例えば、一緒にコクヨやオカムラのショールームに行ってくれたりしましたよね。

Dexi:行きましたね。弊社はオカムラの代理店ではありますが、コクヨさんのオフィス家具も取り扱いがあります。今回は、オカムラ・コクヨのショールームを見て気に入った家具を入れました。家具メーカーにオフィスの設計を任せるようなオフィスデザイン会社もありますが、弊社は自社でオフィスのデザインをしているので自由に選んだり、足りないものは自社で製作したりもしています。

ーオフィスに投資をしてよかったことは?

佐藤さん:今回大きな投資でしたが、結果的にやってよかったなと思っています。従業員のモチベーションが上がってるようにみえますし、楽しそうに働いているんです。

Dexi:どこでわかるんですか?

佐藤さん:会話が増えましたね。以前は、席も狭くて、話ししづらい雰囲気がありましたが…。加えて、風通しも明らかに良くなりました。部署間の壁も実はあったのですが、今は打ち合わせや話す機会が自然と増えています。オフィスを変えて本当によかったなと思います。

Dexi:社員のモチベーションが上がって、事業にもいい影響が出ていて嬉しいです。弊社としても、テガラさんのオフィスをお手伝いできてよかったと思っています。今回はご依頼いただきありがとうございました。