技術研究所のエントランスや食堂、会議室をリニューアルした株式会社エフ・シー・シー。なぜリニューアルに至ったのか、オフィスが抱えていた課題とは?今回、リニューアルを担当した製品技術開発部で管理を担当している宮地さんと鈴木さんにお話を伺いました。
株式会社エフ・シー・シー
日本のクラッチメーカー。主な製品は自動車・オートバイ・汎用機のクラッチで二輪では世界首位。オートバイに関しては国内四大メーカーのすべてのオートバイ用クラッチを供給しており、国内シェアは100%。
エントランスは企業の顔。会社にふさわしい明るい雰囲気へリニューアル
ー今回リニューアルをした技術研究所はどのような場所ですか?
宮地さん:クラッチ及びEV向け製品を担当する製品技術開発部や、新技術を研究・開発する基礎技術研究部、そのほかにも本社の品質保証部や新事業開発部などがあります。総勢320人ほどが、日々研究開発業務を行っています。
Dexi:エフ・シー・シーさんの未来を作る部署ですよね。
宮地さん:いわゆるthink tank と言われる部分です。そのわりには、エントランスや食堂などが少し寂しかったんですよ。お見えになった時そう思いませんでした?
Dexi:そうですね……。全体的に暗い印象があり、エントランス前には食堂がありましたからね。リニューアルした理由はまさにそこですよね?
宮地さん:はい、今回エントランス、食堂、会議室をリニューアルしましたが、以前は全体的に暗い印象があり、研究所と言われる建屋の玄関にしては少し寂しい印象がありましたので、ふさわしいものにしたいとの理由からです。
Dexi:エントランスで企業の雰囲気はガラリと変わります。今まで自前でレイアウト変更などをしていたと伺いました。オフィスデザイン会社への依頼は初めてですか?
鈴木さん:はい、今までオフィスデザイン会社さんに、依頼した事がありませんでした。設計室のレイアウト変更をした時も、床の色を決めたり、机の配置も全部自分でやってものすごく大変でした。
Dexi:自分でやってたんですね。すごいですね。びっくりするぐらい、自分たちでやれるところはやろうよという現場主義が根付いていますよね。小さい規模だったらありうるんですけど、この規模感ですごいなと思ったんです。
鈴木さん:ありがとうございます。相変わらず今回も、什器の移動は自分達でやりました(笑)。
課題を洗い出すことから始まったオフィス作り
ーご依頼までの流れを教えてください。
宮地さん:どんなプロジェクトであれ、弊社ではチームが必要になります。今回は、私たち2人で進めていきました。まずは、一番大変な予算取りのところからですが、そのためにはリニューアルのコンセプト作りが欠かせません。どういうオフィスにするのか、思考を現実化していくところから始めました。それが2022年4月あたりです。オフィスの課題を洗い出しました。
鈴木さん:320名ほど在籍する建屋ですが、打ち合わせスペースが足りなかったり、会議室の音漏れによる機密性の欠如だったり、ウェブ会議が増えているのでそのスペースがなかったり。エントランスから入ってすぐに食堂というのも、見せられる食堂ではなかったので変えたいという気持ちがありました。
Dexi:2022年8月ごろ、初めて打ち合わせしたときに、課題がまとまっていて、やりたいことが明確だった覚えがあります。そこからプラニングをして、図面とパースを出して、方向性を確認してから見積を出したのが、10月ごろですね。
宮地さん:社内で承認が2023年2月に出ました。そこからデザインやスケジュールを一緒に詰めて、6月ごろにはFixしました。施工は8月の連休中に行いました。施工スケジュールについては、Dexiさんに本当に頑張っていただきありがとうございました。
Dexi:連休中にできてよかったです。課題のヒアリングは、社内で行ったのでしょうか?
鈴木さん:エントランスの展示物などについて、ヒアリングを行いました。入社数年目の社員に集まってもらい、この展示物をどう思うか若い感性を吸い上げました。サイネージを取り入れたいねとか、今時ってなんだろうという話をして意見を参考にしました。
リニューアル後の反応は上々。食堂はコミュニケーションの場へ
ー食堂を対面式にした効果について教えてください。
宮地さん:コロナ禍の食事風景として、対面に戻すかは非常に悩みました。元々、長机に対面で座って食べる一般的な食堂でした。コロナ禍で対面を廃止して、300余人が食事できるようにランチは3交代制にしたりして工夫をしていたのですが、今回を機にテーブルを減らして元に戻すことにしました。
鈴木さん:食堂は明るく、広く感じるようになりました。
宮地さん:課題の一つに、ランチ時の配膳行列がありました。ランチタイムになると、食堂に長い列ができてしまい、それがエントランスから丸見えだったのです。そこをなんとか隠したいと、導線を食堂内に作ることで解決しました。
鈴木さん:食堂を使う頻度も変わりましたね。休憩やランチは当然ですが、商談や社内の打ち合わせでも使いやすくなりました。
Dexi:ファミレスブースの評判はどうでしょうか?
宮地さん:ファミレスブースは、お客様とも利用できるので、商談でも使っています。
鈴木さん:ランチタイムでも人気のあるスペースです。「僕もあそこに座ってみたい!」と憧れの場所になっています(笑)。外部の方が来られてた時にも評判いいですね。いつの間にこんな綺麗になったんですか?と驚かれます。
Dexi:明るくなれば広くなった感じは出ますよね。昔は社員食堂だったのが、今はレストランのような雰囲気です。内装と家具を変えただけなのですが、雰囲気が全く変わりましたね。天井も塗り替えて、白くしたのもよかったと思います。
ウェブ会議ブースは満席。集中できる場所を簡易的に製作
ーウェブ会議用の個人ブースはどうでしょうか?
鈴木さん:全部埋まっている時もあります。ウェブ会議などは自分の席で参加するときは会話をするのが気になったり、人の往来があり落ち着かなかったり、やりにくいんですね。想定以上に需要がありました。
おしゃれな壁紙で通路も明るい雰囲気に
ー食堂とエントランスを分ける壁がおしゃれですね。どういう経緯で決まったのでしょうか?
Dexi:無機質なクロスを貼るだけではもったいないという話があり、アートは少し予算が合わない。そこで新興の壁紙メーカーを紹介したのですが、部長さん含めカタログを全部見たらしくて。1000以上のサンプルがあるんですよ。その中から「これがいい」と言われて、イメージを反映をしたパースを作ってこれで行こうと。
宮地さん:決まるまで時間を要しましたが、決定後はすぐに反映してもらえて、スピード感を持ってできました。ありがとうございます。
Dexi:あとは、エントランスに飾ってあった展示物を置くのをやめますとなり、サイネージを提案しました。商品紹介や会社紹介を動画で流せます。
宮地さん:来社の時に、お客様が見てくれていますね。
オフィスをよくしたいという熱量がオフィス作りの鍵
ーDexiと仕事をしてみてどうだったでしょうか?
宮地さん:パース図でビジュアル化してわかりやすいプレゼンをしてくれました。パース図で部屋に入っていけるので、繋がりがどうなっているか非常にわかりやすかったです。実際にそこにいるかのような提案が、我々としては進めていく上で安心でした。
Dexi:実際に出来上がった時に、違和感はなかったですか?
鈴木さん:ほぼほぼイメージ通りでした!オフィスをリニューアルして、エントランスもこんなに広かったんだと驚きました。
Dexi:画面だけではわからないところですよね。弊社としては、内装の細かな部分を決めてもらうのはお客さまでいいと思うんですけど、全体的なつながりや統一感は弊社の仕事かなと。選択肢を絞りながら、その中で選んでもらうこともあったと思います。
鈴木さん:細かい変更に対しても、すぐ対応してくださってありがたかったです。
宮地さん:detail にはこだわったので、カーペットや壁などは、Dexiさんの提案から変えています。レスポンスよく対応してくれて、わがままに付き合ってもらいました。
鈴木さん:注文が多くて嫌になってないか心配になりました(笑)
Dexi:自分事化して、真剣に見てくれているなって思っていました。
鈴木さん:あとは、パーティションで仕切られた空間が会議室になった時は感動しました。来客時にも使え、人数もたくさん入る会議スペースなので、会議室不足にすごく貢献できています。
Dexi:会議室も2部屋から4部屋になり2倍になっていますからね。でもここまでスムーズに行けたのは、最初の課題間からの抽出ができていたからだと思います。最初のヒアリングの時の要望と、発注時の要望が同じというのはすごいことです。最初の課題の拾い上げができていたので、初回提案の精度が高くできました。
この度はご依頼、ありがとうございました。