コロナ禍で、オフィスや新しい働き方に注目が集まっている昨今。従業員が会社に求める理想のオフィスや働き方も日々変化しています。
世界6か国にオフィスを構えるHassell社は、「未来のオフィス」について世界各国2,300人のオフィスワーカーにアンケート調査を実施しました。
オフィスで働く人たちは、今後の働き方、オフィスの在り方をどう捉えているのか?
今回の調査結果をもとに、新しい働き方やオフィス作りについて解説します。
世界が正常に戻った時、求められる企業の在り方・働き方を調査
Hassellが行った「世界が正常に戻った時、人々は職場に何を求めるのか」という調査。これに参加したのは、オーストラリア・シンガポール・アメリカ・イギリスなどの世界各国のランダムに選ばれたオフィスワーカー2,300人。
新型コロナウイルスによる在宅勤務を経験した世界では、アフターコロナの職場の在り方への議論が始まっています。多くの人が在宅で仕事をすることへの抵抗感を持っていた1年半前。在宅勤務に慣れて来た現在、従業員はどう思っているのでしょうか。
企業や経営者は今、それぞれの職種や従業員の特性に合わせてオフィスの在り方を模索する帰路へと立たされています。
調査では、2つの質問が行われました。
- 1.週に何日在宅勤務をしたいか?という単純な質問
- 2.6つの異なる職場シナリオから好きな職場を選んでもらう
1の単純な質問では、大多数が週の半数は在宅勤務をしたいと答えたのに対し、2で詳細なシナリオを出した質問では、オフィスに出社したいという回答が多く出ました。
オフィス形態における従業員満足度(ES)向上の鍵は具体的な聞き取り調査
今回の調査結果で非常に興味深かったのは、具体的なシナリオを提示した時の回答です。
用意された具体的な職場シナリオは以下の6つ
- 1.従来の席が決まっているオフィス(Static and central)
- 2.自由に席を決め、移動できるオフィス (ABW)
- 3.小さなサテライトオフィスを設け、各関係部署の本部社員が従業員の近くで働くオフィス(Hub and spoke)
- 4.個人の仕事は自宅で、共同作業はオフィスで行うスタイル(Clubhouse)
- 5.ABWに近いが、従業員はより在宅勤務とオフィス出勤を自由に選べるスタイル(Turbocharged ABW)
- 6.完全なテレワーク・在宅勤務(Fully virtual)
具体的なシナリオがあった場合の回答では、4.Clubhouseや5.Turbocharged ABWなどの柔軟性を求める反面、3.Hub and spoke、1.Static and centralなどのオフィスに出社するスタイルを選ぶ傾向も強かったそう。
また、年齢や通勤形態によっても回答に差が出たという結果も出ています。若年層はより柔軟な働き方を求め、車通勤の人は公共交通機関を利用する人に比べオフィスに戻りたいと回答する傾向にありました。
これは、単純に週の半分を在宅勤務にしたいという漠然な回答と違い、従業員一人一人が、具体的な仕事の効率や、作業のメリットやデメリットを想像できた上で回答したからではないでしょうか。
同時に行われた「パンデミック後のオフィスで見たいもの」という調査では、福利厚生やさまざまな特典よりも、以下のようなオフィスのニーズがありました。
- 集中できるスペース、会議施設、共同作業のスペースなど
- 緑地・社内ジム・有効的な共有スペース
- 美味しい珈琲やレストランなどが社内やオフィス近くにある環境
従業員が会社に求めるオフィス形態は、年齢・通勤形態、仕事内容などを具体的に想像しできる形で調査を行うことが大切であり、企業が良いと思っている特典が、必ずしも従業員の満足度に繋がっているとも限らないのかもしれません。
作業場としてオフィスは終わりを迎えつつある
新型コロナウイルスは、世の中にとっても、Dexiにとってもオフィスの価値を見直すタイミングになりました。まず、オンラインで働くことが増え、従来の作業場としてのオフィスは徐々に終わりを迎えています。
「なぜ、オフィスに行く必要があるのか?」と多くの方が、その意味を見つめ直したのではないでしょうか。簡単な打ち合わせや会議もZoomやSlack、Google Chatを使えば、場所に縛られず行うことができます。
それに伴い、オフィスにもテレビ会議ができる「個別ブース」が必要になったり、固定席が不要になってきたり、オフィスのデザインも変わりました。
また、ここ1年で、Dexiのコワーキングスペースを使いながら、東京の企業にフルリモートで働く人が増えてきました。コロナで首都圏から地方に移住する流れは確かにありますが、蓋を開けてみたらリモートOKの会社の魅力が高まり、浜松住みながら東京の会社で働くことが可能に。場所が関係ないからこそ、地方の優秀な人材がリモートOKな会社に引き抜かれつつあると感じています。
Dexiとしては、新しい働き方を望むワーカーが魅力的に感じるオフィスをつくることで、企業価値を上げるお手伝いをしていきます。オフィスのレイアウト変更から働き方に合わせたオフィス設計まで、何から始めたらいいか迷っている方はお気軽にご相談ください。